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旅日記 その4
目の前に現れたのは、炎を身に纏った紅き魔人だった。
-------
アルファとみことは平原から東へと向けて歩いていた。
その方角にあるのは、ゴルダ鉱山と呼ばれるディアス帝国の鉄の主産地。奥に進めばゴルダガーディアンと呼ばれる機械兵が存在している。
バルバシア帝国があるのは西、それとは逆の東に向かっている理由とは・・・
「ガーディアン倒して秘宝を手に入れるんだ!そして、みことお姉ちゃんにプレゼントするの!!」
最近知り合いになったロッソが鉱山で倒れたと聞き、敵討ち・・・・あれ?
「ちょっと待て。お前ロッソとか言うやつの敵討ちの為に鉱山へ行くんじゃなかったのか!?」
突然、アルファの胸元にあるバッチ、基使い魔であるぐぅ太が話しかけてきた。
「きっと、ロッソお兄さんならお空から僕達を見守ってくれてるよ!だからきっと、ガーディアンに勝てるはずだよ!!」
※ロッソ・アルティエーレさんは死んでいません。
かなり無謀である。ねずみがゾウに勝つくらいありえないことではないだろうか。だが、どこからそんな自信が溢れてくるのか、少年とそして少女(実際には女性と呼ばれる年齢だが、見た目の問題でこの表記とさせて頂く)もやる気満々といった感じである。
「だって僕、一生懸命魔法勉強したんだよ!使い魔召喚なんて10回くらい繰り返して本読んだんだから!」
もちろん、本を『読んだ』だけで、実際に召喚を試したわけではない。短気な使い魔がこの発言に切れかけてるのも無理はないだろう。
「私もね、最近他の冒険者の人に歌を教えてもらったの♪」
「うた?」
「うん。何でも力が湧いてくるんだって。後で歌ってあげるね!」
二人とも嬉しそうに、この数週間で身に(?)着けた新しい技を披露しようと、モンスターが現れるのを心待ちにしていた。傍から見たらかなり危険な人物達である。
そんな二人の前に運悪く現れてしまったのはイヌとクモ・・・コボルトチーフとヒュージスパイダーである。
待ってました!と言わんがばかりに嬉々とした表情を見せる二人。
「一番、須波みこと!歌います~♪」
ど~れ~み~ふぁ~そ~ら~し~ど~♪
それは果たして、歌なのだろうか・・・?
しかし、効果はあったみたいでアルファにもみことにも、普段よりも能力が上がってるのが感じられた。
「わ~みことお姉ちゃん、凄い!よし、僕も・・・!!」
盟約に縛られしその力、アルファの名において解放する--
胸元のバッチの姿は徐々に人の形へと変わってきた。が、しかし・・・
「ぐぅ太、ファイトー」
「っておい。なんで俺様の姿がこんなに小せぇんだ?」
元の姿に戻ったかと思われたぐぅ太だが、なんだかとっても小さかった。人喰いの魔物などと恐ろしいものなどではなく、その姿はただの子供である。
「よーく思い出してごらん!元からそんなもんだったはず!!」
「違ぇよ!!このっ、クソガキがっ!!!」
ガミガミと喚くぐぅ太。そんなぐぅ太を放っておき、アルファは改めて詠唱の準備に入った。その手には、文字の刻まれた石が見える。
ルーンに封じられし魔人よ 其の鎖から解放する 我に従え
「えっとえっと。ぐぅ太よりも強くてカッコイイ魔物だと嬉しいなー。でも、何も出てこないってこともあるかもだから・・・とりあえず何か出てきてー!!」
とっても失礼である。流石に怒り爆発のぐぅ太。アルファにその怒りをぶつけようとした瞬間、ヒュージスパイダーを大きな炎が燃やし尽くした。
「な、なんだ!?」
現れたのは、炎を身に纏った紅き魔人だった。
「うわぁーかっこいいーー!」
「アルくん、凄いー」
紅き魔人、イフリート・炎を自在に操れると言われる精霊である。
その力は、召喚主の魔力に依存すると言われ、魔力に自信のないアルファの力もみことの歌により高まっているおかげか、イフリートの力は瞬く間にコボルトチーフまで燃やし尽くして去っていった。
「凄い凄い!強いね、イフリートって強いんだね!!そだ、名前考えないと!」
「イフリートだからイ太郎とかでいいんじゃないのか?」
「ぐぅ太くんの名前可愛くてステキだよ。今回もイフリートにちゃんとステキな名前付けてあげるんじゃないかな?」
「・・・・・・・。」
グールだからぐぅ太。イフリートだからイ太郎。どっちもどっちな名前だとぐぅ太は考えたが、天然の相手をまじめにするほど疲れることはない。どっちにしろ、アルファのことだから碌な名前は付けれないだろうと、黙って待つことにした。
「紅蓮・・・ずっとずっと東のほうの国では炎の色を紅蓮って言うんだって聞いたことがある。だからイフリートの名前は紅蓮!」
「アルくん、物知りだねー。紅の蓮、キレイな名前だね。」
「ちょっとまてや、コラ!!!!!」
予想外である。かなりまともな名前だ。この扱いの差はなんなのだろうか・・・やはり見た目?ぐぅ太の怒りは本日最高潮まで達した。が、どうこうする前に気がつけば元のバッチの姿である。
「さぁ、この調子で頑張ろうね、お姉ちゃん!!」
「そうだね、ガーディアンにたどり着くまでに、もっともっと強くなろうね!」
嬉しそうな二人の姿が奥へ奥へと消えていく--
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アルファとみことは平原から東へと向けて歩いていた。
その方角にあるのは、ゴルダ鉱山と呼ばれるディアス帝国の鉄の主産地。奥に進めばゴルダガーディアンと呼ばれる機械兵が存在している。
バルバシア帝国があるのは西、それとは逆の東に向かっている理由とは・・・
「ガーディアン倒して秘宝を手に入れるんだ!そして、みことお姉ちゃんにプレゼントするの!!」
最近知り合いになったロッソが鉱山で倒れたと聞き、敵討ち・・・・あれ?
「ちょっと待て。お前ロッソとか言うやつの敵討ちの為に鉱山へ行くんじゃなかったのか!?」
突然、アルファの胸元にあるバッチ、基使い魔であるぐぅ太が話しかけてきた。
「きっと、ロッソお兄さんならお空から僕達を見守ってくれてるよ!だからきっと、ガーディアンに勝てるはずだよ!!」
※ロッソ・アルティエーレさんは死んでいません。
かなり無謀である。ねずみがゾウに勝つくらいありえないことではないだろうか。だが、どこからそんな自信が溢れてくるのか、少年とそして少女(実際には女性と呼ばれる年齢だが、見た目の問題でこの表記とさせて頂く)もやる気満々といった感じである。
「だって僕、一生懸命魔法勉強したんだよ!使い魔召喚なんて10回くらい繰り返して本読んだんだから!」
もちろん、本を『読んだ』だけで、実際に召喚を試したわけではない。短気な使い魔がこの発言に切れかけてるのも無理はないだろう。
「私もね、最近他の冒険者の人に歌を教えてもらったの♪」
「うた?」
「うん。何でも力が湧いてくるんだって。後で歌ってあげるね!」
二人とも嬉しそうに、この数週間で身に(?)着けた新しい技を披露しようと、モンスターが現れるのを心待ちにしていた。傍から見たらかなり危険な人物達である。
そんな二人の前に運悪く現れてしまったのはイヌとクモ・・・コボルトチーフとヒュージスパイダーである。
待ってました!と言わんがばかりに嬉々とした表情を見せる二人。
「一番、須波みこと!歌います~♪」
ど~れ~み~ふぁ~そ~ら~し~ど~♪
それは果たして、歌なのだろうか・・・?
しかし、効果はあったみたいでアルファにもみことにも、普段よりも能力が上がってるのが感じられた。
「わ~みことお姉ちゃん、凄い!よし、僕も・・・!!」
盟約に縛られしその力、アルファの名において解放する--
胸元のバッチの姿は徐々に人の形へと変わってきた。が、しかし・・・
「ぐぅ太、ファイトー」
「っておい。なんで俺様の姿がこんなに小せぇんだ?」
元の姿に戻ったかと思われたぐぅ太だが、なんだかとっても小さかった。人喰いの魔物などと恐ろしいものなどではなく、その姿はただの子供である。
「よーく思い出してごらん!元からそんなもんだったはず!!」
「違ぇよ!!このっ、クソガキがっ!!!」
ガミガミと喚くぐぅ太。そんなぐぅ太を放っておき、アルファは改めて詠唱の準備に入った。その手には、文字の刻まれた石が見える。
ルーンに封じられし魔人よ 其の鎖から解放する 我に従え
「えっとえっと。ぐぅ太よりも強くてカッコイイ魔物だと嬉しいなー。でも、何も出てこないってこともあるかもだから・・・とりあえず何か出てきてー!!」
とっても失礼である。流石に怒り爆発のぐぅ太。アルファにその怒りをぶつけようとした瞬間、ヒュージスパイダーを大きな炎が燃やし尽くした。
「な、なんだ!?」
現れたのは、炎を身に纏った紅き魔人だった。
「うわぁーかっこいいーー!」
「アルくん、凄いー」
紅き魔人、イフリート・炎を自在に操れると言われる精霊である。
その力は、召喚主の魔力に依存すると言われ、魔力に自信のないアルファの力もみことの歌により高まっているおかげか、イフリートの力は瞬く間にコボルトチーフまで燃やし尽くして去っていった。
「凄い凄い!強いね、イフリートって強いんだね!!そだ、名前考えないと!」
「イフリートだからイ太郎とかでいいんじゃないのか?」
「ぐぅ太くんの名前可愛くてステキだよ。今回もイフリートにちゃんとステキな名前付けてあげるんじゃないかな?」
「・・・・・・・。」
グールだからぐぅ太。イフリートだからイ太郎。どっちもどっちな名前だとぐぅ太は考えたが、天然の相手をまじめにするほど疲れることはない。どっちにしろ、アルファのことだから碌な名前は付けれないだろうと、黙って待つことにした。
「紅蓮・・・ずっとずっと東のほうの国では炎の色を紅蓮って言うんだって聞いたことがある。だからイフリートの名前は紅蓮!」
「アルくん、物知りだねー。紅の蓮、キレイな名前だね。」
「ちょっとまてや、コラ!!!!!」
予想外である。かなりまともな名前だ。この扱いの差はなんなのだろうか・・・やはり見た目?ぐぅ太の怒りは本日最高潮まで達した。が、どうこうする前に気がつけば元のバッチの姿である。
「さぁ、この調子で頑張ろうね、お姉ちゃん!!」
「そうだね、ガーディアンにたどり着くまでに、もっともっと強くなろうね!」
嬉しそうな二人の姿が奥へ奥へと消えていく--
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ここのブログでは、自分のキャラの物語や、DK関連の落書きなんかをアップしていきたいなーと考えてます。ただ、熱し易く冷め易いため、頻繁に放置状態になります。また、湊のキャラと知り合っちゃった皆様。もしかしたら、文中or絵の中に勝手にキャラをお借りすることがあるかもしれません。そんなときは生暖かい目で見逃してやってください!
気まぐれに結果絵の依頼を受け付けることがあるかもしれません。その際は、HPまたはブログにて募集を行います。
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